3rdSeasonSelection作品

最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT」の2011~2015年に上演された60作品から厳選された心震わす珠玉の一人芝居10作品です。

 
a「楽屋から」
出演・脚本・演出:犬養憲子(演劇きかく「満福中枢」)
共同演出:大浜暢裕
 
どこかの小屋のどこかの舞台と楽屋でのお話。踊り子たちは自分の出番が終わると、舞台そっちのけで楽屋での井戸端会議に花を咲かせます。姉さんの新しい旦那さんのこと、日焼けのこと、ペリーのこと、沖縄のこと。普天間基地が返還されたらどうしたらいいと思う?日常と政治が密接に関わる沖縄ならではの楽屋話、社会派コメディの傑作。
2014年初演/本拠地:沖縄
 

 
b「如水」
出演:おぐりまさこ(空宙空地)
脚本演出:関戸哲也(スクイジーズ / 空宙空地)
 
桜並木で梅の方が好きだと言った君。夏の予感に海に行こうと口にはするけどやっぱり吐く息白い秋を迎え子供の夜食の鍋焼きうどんをつまみ食いする冬の夜。ぐるぐるまわるわたしだけの四季折々。それが、流れていく。かたわらにはいつもあの温もりがあったのに。気付いた瞬間、わたしは娘に…。認知症を患った母、それを見守る娘の哀感すべてが心を掴んで離さない。
2015年初演/本拠地:名古屋 

 
c「DANCE BURRN」
出演:河口仁(シアターシンクタンク万化)
脚本:二朗松田(カヨコの大発明)
演出:福谷圭祐(匿名劇壇)
 
主に演劇のチラシデザインを生業とするその男は紙の上のデザインに夢中で、生活におけるレイアウトは破綻している。今日も彼女からの電話をかわしながら、まだタイトルしか存在しない作品の中身を夢想しデザインを考える。やがて彼の部屋には夢想した演劇作品が立ち現れ…。演劇界にありがちな風景を紹介しながら、創作のイマジネーションを描くエンターテイメントコメディ。
2014年初演/本拠地:大阪

 
d「チンピラB」
出演・脚本・演出:隈本晃俊(未来探偵社)
 
大阪ローカルの深夜ドラマ「ヒットマン鮫」出番待ちの控室。ベテラン俳優沼田のもとに、東京から呼ばれた若手俳優星野がやって来る。やる気を感じられない彼に、沼田はどうでもいい昔話・おもしろくもない武勇伝・薄っぺらい演技論を語るがまるで響く様子が無い…。大阪のベテラン俳優、隈本晃俊が実体験を元に書下ろし自ら演じる。確かな演技に裏打ちされた、俳優魂の咆哮と悲哀。
2014年初演/本拠地:大阪
 

 
e「或る男」
出演:徳永健治
脚本:西川さやか(月曜劇団)
演出:上原日呂(月曜劇団)
 
男はただの会社員。彼は特別な人間ではないが、それなりに日々を充実させて生きている。ある日、男の目の前に謎の妖精が現れた。積み上げてきた日常を突然何者かに奪われた男は、さまざまな困難をかわしながら自らの生活を取り戻すべく、世界を股にかけて奮闘する。不可思議で不条理な物語を確かな演技で成立させたシュールアクションSF。
2015年初演/本拠地:大阪

 
 f「次の場所までさようなら。」
出演:中嶋久美子
脚本:二朗松田(カヨコの大発明)
演出:泉寛介(baghdad cafe')
才能に溢れ、夢を抱く若獅子、白鳥。しかし、力こそが正義とされる世界の中で、純真な心は徐々に黒く塗りつぶされ、そのスピードは強さを手に入れる毎に加速していく-。友情、家族、信仰、裏切り、絶望、そして栄光。大人の階段の踊り場で手にした、或いは失った物とは。バレリーナ姿の女優が力士を演じるという倒錯的な演出が冴えわたる異色のサスペンスコメディ。
2011年初演/本拠地:大阪

 
g「わたしの未来」
出演:西原希蓉美(満月動物園)
演出脚本:戒田竜治(満月動物園)
 
女は恋人の犯した罪について法廷で証言する。一言では言い尽くせない想いが、法廷に響く。女には、恋人の罪の重さは分からない。ただ、二人の間のことを正直に伝えることしかできない。たとえその罪がどんなに重くとも、どれほど人を困らせたのだとしても、恋人への想いは変わることがない。女はそれだけを証言していく。劇中に歌を織り交ぜた純愛法廷劇。
2012年初演/本拠地:大阪 

 
h「あのとき」
出演:泥谷将(Micro To Macro)
脚本:鈴木友隆
演出:オダタクミ(カラ/フル)
 
男は、懐メロを聴いている。懐メロは、男に「あのとき」を思い出させる。小学校、中学校、高校、それから今まで。男はたくさんの「あのとき」を過ぎてきた。懐メロは、男にたくさんの「あのとき」を想像させる。「あのとき」立ち止まっていれば。「あのとき」歩き出していれば。誰もが考えがちな「あのとき…」という思いに囚われた男の悲喜劇。
2013年初演/本拠地:大阪

 
i「仏の顔も10度目にもう一度」
出演:maechang(BLACK★TIGHTS)
脚本演出:野村有志(オパンポン創造社)
 
誰も傷付けず生きるのは無理な事で、誰かを傷付けながらも生きる人々の優しい物語。轢き逃げ事件を起こした男、男に思いを寄せる一途な女、万引きで捕まった父親、誘拐された有名会社社長、誰かを応援する事も応援される事も忘れてしまった青年、一度も勝ったことのない競走馬…。接点のあるはずがない彼らの物語が静かに繋がって感動を生むトラジコメディ。
2015年初演/本拠地:大阪

 
j「シロとクロ」
出演:米山真理(彗星マジック)
脚本演出:勝山修平(彗星マジック)
 
シロとクロはずっといっしょの時間を過ごしてきました。朝の散歩、夕暮れの散歩、夢の中。春は堤防に咲く桜を眺めながら、夏は川の中を、秋は田畑を焼く煙を抜けて、冬は雪の上を駆け回り…。全篇を音楽のテンポに乗せて紡ぎ出される、いつまでも続く筈の時間と、いつか必ず終わってしまう時間を共に過ごした、1人と1匹の感動の物語。
2013年初演/本拠地:大阪

3SS 地域参加作品

「INDEPENDENT:3rdSeasonSelection」と競演すべく、各地の予選や審査を潜り抜けた作品です。

 
m2「藪蛇」
出演・脚本・演出:吉田美香
 
 
やぶへび:藪をつついて蛇を出すことから、余計なことをしたために思わぬ災難を受けること。(新明解国語辞典第三版より) だが、蛇はそこにいたのだ。 2014年3月初演。2015年5月「INDEPENDENT:SND15」にて再演。フリーで、様々な劇団・ユニットに参加。2014年から、演劇ユニット「その場かぎり」としても活動中。2016年7月、また藪をつつく。

2014年初演/本拠地:青森 

 
k1「ロストサムライ」
出演・脚本:大串到生(劇団ZIG.ZAG.BITE)
演出:山口ミチロウ(劇団マニアック先生シアター)
雨の降る夜。男は合戦後の荒地を彷徨っていた。剣術道場の次男として生まれた男には剣の才能が無い。父や兄を見返すべく身を投じた戦場であったが、自軍はあっけなく敗走。自らも傷を負い落武者狩りに襲われる。「こんな所で死んでたまるか」
命からがら逃げ延びその身を隠す中で男は、泣きすする一人の子供と出逢うこととなる。
2016年新作/本拠地:福岡

 
k2「時間切れを待ちながら」
出演・脚本:白濱隆次(謎のモダン館)
演出:大坪文(謎のモダン館)
 
殺風景な部屋で私はその時を待ち続けている。退屈な時間。私は気を紛らわせるために男と雑談を始めた。他愛もない会話。今日食った昼飯の話。好きな酒の話。昔の仕事仲間の話。女に裏切られた話。時間は刻々と過ぎ、恐怖が静かに近づいて来ている。それでも私は落ち着いていて、そのことに少し驚く。この男のおかげだ。この男がいてくれていたからこそ、私は生きてこられたのだと思う。

2011年初演/本拠地:長崎 

 
k3「そのころ」
出演:葉山太司(飛ぶ劇場)
脚本・演出:大迫旭洋(不思議少年)
息をするように嘘をつく男が、一つの人生を捏造した。「コンビニで働いてる山下くんの話なんだけど、」本当の話・どこかで誰かから聞いた話・全くの作り話。その境界線は、だんだんと無くなっていく。このデタラメが、もしかしたら世界を救うかも知れない。北九州の怪優、葉山太司が初めての一人芝居に挑む。脚本は不思議少年の大迫旭洋。あなたと私と世界を満たす、潤滑油のような物語。
2016年新作/本拠地:北九州

 
s2「熊埜御堂」
出演・演出:柴田知佳
脚本・演出:小佐部明広(劇団アトリエ)
 
私は幸せです。夢があって仲間がいるからです。
でも私は不幸せです。私のこの有り余るポテンシャルを遺憾なく発揮する場所がなかなか見つからないからです。
私、熊埜御堂(くまのみどう)ジュリアン25才は、それでも一人で頑張ります!
ガオーッ!!!

2016年新作/本拠地:札幌 

 
 s1「ナイトモーニング」
出演:長流3平(3ペェ団札幌)
脚本・演出:棚田満(劇団怪獣無法地帯)
 
ちょっと聞いて欲しい話があるんだ・・・なんとも不思議な話を・・・。
男が連れと二人酒を酌み交わす。この居酒屋は料理が美味くて、酒はすすむ、言葉もすすむ。その男におきた不思議な話が進むにつれて徐々に男の秘密が明らかになっていく。
一人の男が語る、不思議な切ない話。
 
2016年新作/本拠地:札幌

 
s3「ミトモエワッカ」
出演・脚本:澤田未来(ELEVEN NINES)
演出:明逸人(ELEVEN NINES)
 
老婆が座っており、紙に絵を描いている。老婆には微笑みが絶えない。老婆は今、その生涯を終えようとしている。それでも老婆には微笑みが絶えない。約30分の中に凝縮された彼女の一生。心から誰かを愛したことはありますか?誰かに愛されたことはありますか?
「女は生きる。一度の死を迎えるために。この一瞬、いかに在るか。一生は結構忙しい。」

2016年新作/本拠地:札幌

 
t2「正義と微笑」
出演:竹田淳哉(妄烈キネマレコード)
脚本・演出:西尾武(妄烈キネマレコード)
原作:太宰治
 
芹川進、十六歳。だんだんと世の中のことを悟り始め、最近不平不満が多くなった。無能な同級生と無礼な教員しかいない今の学校から早く抜け出したい進は、東京大学の受験を決意する。「東大に落ちたら映画俳優にでもなろう」なんて呑気なことを言いながら受験勉強に勤しむが…。“永遠の青春文学作家”太宰治の作品のなかでも、とびっきりの青春作品を、爽快な一人芝居で上演します。
2016年新作/本拠地:名古屋


t1「懐かしき、東京だわぁ」
出演:小関加奈
脚本・演出:門脇光平(カドワキ企画)
 
幼き頃、憧れを持ってしまった。憧れは捨てきれずに常に寄り添う。憧れを現実にせんと努力する。努力むなしく都落ち。忘れんと夢も希望も無き退屈な日常を精一杯生きる。しかし憧れは消え去らない。再びの再スタートを誓ってしまう。まだまだこれから。再び憧れの地に降り立つ。「懐かしき、東京だわぁ…」
三重を拠点に活動する若手タッグがお送りする、とある物語。
 
2016年新作/本拠地:三重


o1「SEX☆グラデーション」
出演:蔵元利貴
脚本・演出:山田享楽(Be-STUDiO)
 
人間の細胞は、日々、入れ替わってゆく。だから昨日の自分と今日の自分は少し違う。そして数年かけて総ての細胞は入れ替わる。だから数年前の自分と今の自分は総て違う。グラデーションのように変わってゆく。これは物理的なオハナシ。身体が変われば、もちろん気持ちも変わってゆく。気持ちが変われば見える世界だって変わってゆく。これは抽象的なオハナシ。人は、身も心も変わってゆく。生きているから変わってゆく。これは、そんなオハナシ。 
2016年新作/本拠地:沖縄

 
o2「平々凡々」
出演:新垣晋也(劇団O.Z.E.)
脚本:犬養憲子(演劇きかく「満福中枢」)
演出:大浜暢裕
 
劇的なことなんてそうそう起こるもんじゃない。そうそうおこってたまるもんか。僕は、平々凡々な毎日が気に入っていた。何か面白い事や刺激的なことが起こらないだろうか、なんて期待もしてないし、ただ、平々凡々に毎日が過ぎてくれる事を願っていた。そう。願っていたんだ。平々凡々な毎日を願っていた男に、ある日喫茶店で振りかかった災難…。沖縄INDEPENDENTの立役者犬養×大浜が、新垣晋也の新境地を切り開く?!
2016年新作/本拠地:沖縄

"INDEPENDENT"全作品

最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT」の2001年開始から、これまで上演されてきた作品344本は、今後順次紹介していきます。